日が暮れると、ス〜ッと涼しい風が吹く季節になりました。
来たる9月17日は十五夜です。
1年で最も美しいとされる中秋の名月。
忙しい日々の中でも、「そろそろかな」と頭の片隅で心待ちにしている方も多いのではないでしょうか。
今回のジャーナルでは、深呼吸をいざなう "お月見HAAing”をテーマにお届けします。
月も人も、満ちたり欠けたり
ふと、月を眺めて「きれいだな」と思う。
疲れやモヤモヤは夜空に溶けて、
徐々に心は軽くなり、
やがてじんわりと満ちていく。
いつだってわたしたちを見守ってくれる月の懐深さに、
人は安心し、心を動かされるものです。
ご存知の方も多いと思いますが、月は約15日のスパンをかけて、新月から満月へ、そして満月から新月へ、満ち欠けを繰り返しています。
それはまるで、時に幸福感に満ち溢れ、時に切ない気持ちでいっぱいになる、わたしたちの心のよう。
ままならない日々に心がくじけそうになっても、
いつもと同じスピードで月がゆっくり満ちていくことに想いを馳せられたら
「わたしもきっと大丈夫」と思える。
月を見て心が動くのは、そんな背景があるのかもしれません。
お月見の楽しみ方、いろいろ
ひとくちにお月見といっても、色々な楽しみ方がありますよね。
お団子をこしらえてススキを飾る、昔ながらの定番スタイルはもちろん、
晩酌がてら、自宅のベランダから眺めるも良し。
仕事の帰り道で、ふと見上げた夜空に浮かぶ月を見て、感動することもあるでしょう。
観月にまつわるイベントに足を運ぶ方もいるでしょうし、
「今年もお月見バーガーの季節だ!」とワクワクしている人も多いはず。
みなさんは、どんな風に楽しみますか?
「深呼吸できた」ちょっと特別な体験を、日常へと
お月見のように、暦の行事はわたしたちに深呼吸のタイミングを知らせてくれる、ひとつのきっかけになります。
それはきっと、日常よりもちょっとだけ特別なひとときなはず。
でもよくよく考えてみると、月はいつも空にあります。
その上、キラリと光る三日月も、かすんで見える朧月(おぼろづき)も、水面に映った水月(すいげつ)も、そのどれもが美しいもの。
そんな月に見守られていることに気づけたら
疲れて仕事から帰る夜も
誰かが恋しくなる夜も
空を見上げるだけで、深呼吸できるかもしれません。
深呼吸はそれくらい身近なもの。
それくらい簡単なことなのかもしれませんね。
同じ月を見ながら、は~っと深呼吸してみませんか?
忙しく働くわたしたちも
遊びに夢中な子ども達も
森で暮らす動物たちも
誰もが見上げることができる、月の存在。
十五夜は、その大きくて深い懐に飛び込むには絶好のタイミングです。
9月の日の入りは18時前後。そこから始まる長い夜の間に
ひとりでも多くの人に、深呼吸が届きますように。
執筆:佐藤ちえみ