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【新連載|深呼吸のはなしをしよう】「深呼吸は、ご自愛です」♯01平岡季里子

【新連載|深呼吸のはなしをしよう】「深呼吸は、ご自愛です」♯01平岡季里子

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忙しい日々の中でも、健やかに生きていきたい。
深呼吸して、心に余白を携えていたい。
そのためには、どうしたらいいのだろう?
そんな問いから、連載企画「深呼吸のはなしをしよう」は生まれました。

年齢・性別・ライフスタイルが異なるゲストとの対話を通して探るのは、深呼吸の源。
自分にはない誰かの視点は、時に木漏れ日のようにキラキラと、時に海のようにやさしく、わたしたちのもとに余白を運んできてくれるでしょう。
みなさんも一緒に深呼吸について考えてみませんか?

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第一回のゲストは、HAAの平岡です。

HAAメンバーの中でも、自他共に認める「深呼吸できる人」のきりこさん。彼女は、どんな世界を見て、どんな考えを持ちながら日々を過ごしているのでしょうか。HAA LAB編集部の佐藤と古賀が話を聞きました。

深呼吸は、限りなくケのもの

佐藤:さて、今回はHAA LABのインタビュー企画ということで、はるばる京都まで来ていただきありがとうございます。

平岡:インタビューを受けるのは初めてだけど、すごく楽しみだしわくわくしています。よろしくお願いします。

佐藤:この企画は、「深呼吸のはなしをしよう」というタイトル通り、ゲストの方と「深呼吸」を軸にお話をするものです。
HAAでは、ちょっと気持ちが軽くなったり、心に余白をつくれるような行為を「深呼吸」や「HAAing」などと呼んで、とても大切にしています。
きりこさんはこれまで、深呼吸をどんな風に捉えてきましたか?

平岡:「当たり前に生活の中でしていること」ですかね。正直、HAAに入社する以前は、深呼吸できなくて困っている人がいるなんて考えたことがなくて。みんなわたしと同じように、自分にフィットした深呼吸の方法を知っているし、したいときにしながら生きてるって思ってました。

それが、HAAのみんなと話したり、Podcastでお便りをいただいたりするなかで、深呼吸には種類やタイミングがあることや、深呼吸できずに困っている人がいることを徐々に認識していったんです。

佐藤:そうだったんですね。きりこさんがパーソナリティを務めるPodcast番組「深呼吸できる女とできない女」では、きりこさんが"深呼吸できる女代表”、お姉さんでありHAA代表のかのこさんが"深呼吸できない女代表”として出演していますよね。

平岡:そうです。番組を聞いていただくと分かると思いますが、わたしたち姉妹は深呼吸という軸で考えると本当に正反対なんですよね。

佐藤:それはどんな風に?

平岡:わたしの深呼吸は、日常の中に溶け込んでいて、ごく当たり前にしていることなんです。例えば、仕事で「この打ち合わせが終わったらチョコ食べよう」とか、「今日頑張ったから、夜はちょっと良いお酒で乾杯しよう」とか。

佐藤:それがきりこさんのスタイルなんですね。

平岡:そうですね。小さい頃から、「このテストが終わったらゆっくり漫画読もう」とか、「この試合が終わったらゲームしよう」とかあらかじめ決めて、頑張るタイプ。それが今も自然な形で続いている感じです。

佐藤:なるほど。最近はとてもお忙しそうですが、そういう時でもうまく深呼吸できていますか?

平岡:例えば、今週は今日の京都出張も含めて移動が多くて、わりとタフな1週間ではあるんですけれど、来週月曜日は祝日で、かつ夫もいないので、家でとことんゆっくりしようと決めています。絶対に家事はせず、好きなお菓子食べながらゲームして、お刺身と馬刺し買ってビール飲んで休むって決めてる。そこで「は~」って深呼吸できて、心がゆるむことが分かっているから、今頑張れるっていう感じですね。

佐藤:忙しさに関わらず、深呼吸が習慣化できているんですね。ちなみに先ほど「姉とは正反対のタイプ」と仰っていましたが、どんな風に違うと感じていますか?

平岡:ちょっと話はずれるかもしれませんが、行動パターンの違いで言うと、姉は好奇心旺盛な冒険家なんですよね。興味があることに対して、一直線に突き進んでいくタイプ。わたしは冒険しないタイプで、自分が安心できるっていうことが何より大切だと思ってる。良くも悪くも、自分の予測できる範囲に身を置いているっていうのかな。

だから、「もっともっと!」って突き進んで、「深呼吸できない……」って困っている姉を見ると、「そりゃそうやろ」って思う。それ以上やったらキャパ超えるの分かるじゃんって。だから、深呼吸の予定を決めとけばいいのにって思います。

佐藤:きりこさんはあらかじめ予定を組んでおくタイプですもんね。

平岡:そうですね。意識的な差でいうと、わたしにとっては深呼吸=当たり前、なんですけど、深呼吸できていない姉のエピソードを聞くと、「頭で考えすぎじゃない?」「大きく捉えすぎじゃない?」と思うことは多々あります。そんなことより、とりあえずお茶飲んでひと息つこうよって。灯台下暗しじゃないけど、深呼吸ってそういうことなのでは?と。

でも、面白いなと思うのは、深呼吸って答えがないから、「わたしをお手本にしなよ」という話ではないんですよね。姉には姉のスタイルがあるはず。やっぱり自分にフィットする方法を探すことが大事なのだと思います。

どんな時も、等身大の自分でいたい

佐藤:お話を聞いていると、計画的に深呼吸しているきりこさんですが……パツることってないんですか?

平岡:めちゃくちゃパツりますよ!例えば今、HAAの新商品開発をしているのですが、わたし自身はじめての経験なので、すごく大変なんですよ。すぐ壁にぶつかるし、分からないことも山積みです。

佐藤:そういう時に、「深呼吸できてないな」とか「息苦しいな」とはならないんですか?

平岡:あんまりならないですね。焦りもあまりないです。なぜなら、自分が今「できない」ことを分かっているし、だからこそ「人に頼る」ことを積極的にしているからだと思います。

今、わたしの中の「商品企画」っていうラベルの棚の引き出しは空っぽの状態なんですよ。でも、ひとつ「人に聞く」っていうカードは持っているので、それを使いながら得た知識や経験、解決策をひとつひとつ引き出しにしまっていってる感覚です。

佐藤:なるほど。等身大の自分をきちんと理解できているんですね。それって、簡単に聞こえるけれど、実は結構難しいんじゃないかなって思うんです。古賀さんはどう思いますか?

古賀:「できる」の基準が曖昧だったり、自分と他者で違ったりすると、苦しくなることってありますよね。そういう意味できりこさんは、等身大の自分を差異なく認識しているし、目線が「良い商品を生み出す」というゴールにあるから、その過程で人に聞いたり頼ったりすることが自然にできる。それが深呼吸に繋がっているのかなって、お話を聞いていて思いました。

平岡:あとは、自分で自分を褒めたり、認めたりしてあげていますね。例え仕事がうまくいかなくても、「こんなにパツっても投げ出さないわたしはよく頑張ってる!」ってちゃんと褒めてあげるようにしています。「できないわたしなんて駄目だな……」じゃなくて、「わたしはまだ知らないもんな」って。そこを乗り越えたら「できる」に変わるから大丈夫だって。そういうのも深呼吸と繋がっているのかなと思いますね。


佐藤:傲慢にならず、かといって必要以上に卑下することもなく、事実を前向きに捉えて一歩ずつ前に進むということですよね。そういう考え方や行動ができれば、深呼吸もよりしやすくなるような気がしてきました。

リカバリーできると思えば、パツることも怖くない

古賀:今、パツるっていう言葉が出てきていますが、おふたりはパツるのが怖いですか?怖くないですか?

平岡:怖くないです(即答)。

佐藤:わたしは怖いです(即答)。

平岡・佐藤:え~!全然違う(笑)

平岡:わたしは多分、余白メーターが0でも100でも大丈夫(笑)たとえ0になっても、ご褒美あげたり、自分を褒めたり、誰かに甘えたり頼ったりしながら回復できると思ってるからかな。

佐藤:すごい!わたしは、余白メーターを常に70くらいでキープしていたいタイプです。0になったら気持ちがポキっと折れちゃう気がして、そうならないようにこまめに深呼吸するようにはしていますね。ご褒美チョコとか、やっている事はきりこさんと似ているけど、心持ちはちょっと違うのかも。

古賀:多分きりこさんは、深呼吸でリカバリーできることを知ってるんですよね。だから、パツるのも怖くない、無双タイプっていうのかな。
一方で佐藤さんは、0になったら戻れないと思っている。だから、元々持っている余白が減らないように、無意識的に調整するタイプなのかも。

佐藤:なるほど。深呼吸という軸で"違う”ことを考察すると、より理解が深まりますね。わたしはずっと、深呼吸はパツる前にすることだと思っていたけれど、パツった後でも深呼吸でリカバリーできるというのは大きな発見でした。でも、やっぱり0になるのは怖いな……。

平岡:向き不向きもあるんじゃないかな?

古賀:そう思います。そういう意味で本当に十人十色だから、正解はこれです!というものもきっと無い。

平岡:わたしは今日深呼吸をテーマに話をするまで、佐藤さんと同じタイプだと思っていたから、ちょっとびっくり!

佐藤:わたしは、きりこさんとは似ているけど、なんか違う気がすると感じていましたが、その理由が言語化できてスッキリしました。等身大の自分を認識したり、自分を褒める視点が自分には足りていないと思ったので、そこは取り入れていきたいなと思います。

平岡:わたしも、自分が思った以上に深呼吸できてることが分かってスッキリしました!

持ちつ持たれつ、人との関わりで生まれる余白

佐藤:他にも深呼吸に繋がることって、何か思い当たりますか?

平岡:姉や夫など、身近な人に自分の素を見せて甘えられていることかな。わたし末っ子だから、基本甘えた精神なんですよ。

佐藤:素直に甘えられる存在がいてくれるのは大きいですよね。

平岡:その延長でたまに感情的になっちゃったりもするけど、それもまとめて受け止めてー!と思ってる(笑)。結局わたしは、自分が一番大事なんですよね。

古賀:自分が一番大事って、言葉だけで解釈すると自己中心的とも捉えられるけど、きりこさんは普段から周りの人をすごく大切にしていますよね。

平岡:そう見えているのなら安心しました。自分も大事だけれど、同じ空間にいる人が同じ気持ちを共有できることもすごく大切にしています。

古賀:自分が一番大切。だけど、調和も大切。例えば、自分より人を優先しなければならないシーンでは、どんな風に行動するんですか?

平岡:誰かを優先します。そこには全く抵抗がなくて、むしろ気持ちがいいですね。わたしも甘えるから、甘えてくれていいよって思ってる。みんな、「自分が一番」でいいじゃないって思ってます。

佐藤:深呼吸も持ちつ持たれつ、ということでしょうか。安心して自分を出せる相手が傍にいて、互いに尊重し合えることが、深呼吸に繋がっているのかもしれませんね。

自分探しはしない。もうここにいるから

古賀:お話を聞いていると、きりこさんは自分のことをすごくよく分かっているんだなと感じますが、普段から自分に向き合う、自分探しのようなことをしていますか?

平岡:しないです。だって、ここにいるから!24時間、ここにいるのがわたしだから。自分はこういう人間で、できないこと、できることがある。それがわたしであって、それ以上でも以下でもない。だから自分探しもしないし、背伸びも、自分を卑下することもないんだと思います。

佐藤:そう考えると、等身大でいられることって、深呼吸とも深い関わりがあるような気がしてきますね。
わたしもそうですが、人ってなかなか自分を等身大で捉えることって難しいんじゃないかなって思うんです。理想に向かって背伸びすることも、必要以上に自分を責めてしまうこともある。でも、きりこさんのように、ここにいるのが紛れもない自分自身だよ!って思えたら、少し気が楽になるかもしれないなと思いました。

平岡:わたしは今のわたしが好きだし、身近な人にも恵まれているし、感謝している。できないことがある自分も、それをできるに変えられる自分も、知っている。だから、自分探しをする必要がないんだと思います。
深呼吸も同じで、特別なことではなく、当たり前にすることとして捉えています。

姉からよく「もっと考えな!」と言われますが、逆に姉には「ちょっと考えすぎ」と言いたいですね(笑)。

深呼吸は、ご自愛

佐藤:いや~、とても興味深いお話でしたが、そろそろお時間となりました。この企画では最後にゲストの方に「あなたにとっての深呼吸とは?」という質問を投げかけています。きりこさんにとって、深呼吸とはなんですか?

(撮影:佐藤)

平岡:「ご自愛」ですね。ご自愛することで、まず自分に余白が持てるし、周囲の大切な人たちの余白もつくりたいと思える。だからこそ、ご自愛が深呼吸の源であり、全ての起点になっているなって思います。

佐藤:深呼吸を通して生まれた心の余白が、他者への思いやりや優しさになって波及していくというイメージですよね。

平岡:そうですね。自分をご機嫌にできるのは自分だから、みんなもご自愛して深呼吸してほしいなって思います。佐藤さんは最近深呼吸・ご自愛しましたか?

佐藤:ご自愛……(しばし考える)かどうかは分からないですけど、この前映画を観に行きました。

平岡:それそれ!それはご自愛だよ!

佐藤:そっか、これもご自愛か。

平岡:自分がご自愛だって思ったら全部ご自愛です。

佐藤:今結構ジーンときちゃいました。そっか。もしかしたらわたしには、「今日もご自愛できたな」ってちゃんと認めてあげることが必要なのかも。「ながらご自愛」じゃなくて、ちゃんと噛みしめることで、心が軽くなることもあるのかなって思いました。今日は本当にありがとうございました。

平岡:普段深呼吸についてここまで深掘りすることがなかったので、とても楽しかったです。ありがとうございました!

取材後記

いつも周りを明るくさせ、生き生きとしているきりこさん。その深呼吸の源は、ご自愛にはじまり、自己肯定や人との調和、等身大の自分を認めることにあるのだと知りました。
皆さんにとって、深呼吸とはなんですか?ぜひ一緒に考えてみてくださいね。

 執筆:佐藤ちえみ
                            撮影:小黒恵太朗
                        ロケ地:国立京都国際会館

編集部 HAA
編集部 HAA
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