日常の中で深呼吸する時間＝HAA時間をお届けするコラム。
今回のテーマは「ゆらぎ」です。
「ゆらぎ」とは？
皆さんは、「ゆらぎ」という言葉を聞いて、何を思い浮かべますか？
炎や木漏れ日など、視覚のゆらぎ。
風の音や波の音など、聴覚のゆらぎ。
人の気持ちや決意などに対するゆらぎ。
ぱっと思い浮かぶイメージは、人によって違うかもしれません。
今回は、炎や木漏れ日、風や波の音など、自然の中に存在するゆらぎのお話です。
人を癒し、リラックス効果があるといわれているゆらぎ。
不思議で深い、その世界を覗いてみましょう。
自然が生み出す心地よいリズム～1/fゆらぎの効能～
ゆらぎ研究の第一人者である東京工業大学名誉教授の武者利光さんは、ご自身の著書の中で、ゆらぎを「ものの変化、そしてその変化が不規則な様子」と説明しています。
更に、ゆらぎを細分化して周波数で数値化すると、「1/√f」「1/f」「1/f²」「1/f³」などさまざまな種類があるそう。その中で、人が一番心地よく感じるのが「1/f」ゆらぎだと言われています。
ポイントは、ある程度規則性があって予想はできるものの、完全に予想はできないこと。
代表的なものとして挙げられる“風”や“炎”は、その不規則性からゆらぎを具体的に理解しやすいでしょう。
それだけではなく、人間の心拍数にも1/fゆらぎがみられるという研究結果もあるのだとか。
私たちも皆、心地よいリズムを刻みながら生きているのですね。
夏に感じる1/fゆらぎ
夏といえば、アウトドアが楽しい季節。自然界は、1/fゆらぎの宝庫です。
焚火やキャンプファイヤーの炎。
木々の間から差し込む木漏れ日のきらめき。
よく見ると少しずつ幅が違う切株の年輪。
そして、胸に手を当てて感じる自分の拍動。
目を閉じて想像するだけで、心が開放されてリラックスできます。
更に、1/fゆらぎは音楽にも存在します。日本を代表する美空ひばりさんや、宇多田ヒカルさんの歌声は、1/fゆらぎを多く含んでいるんだとか。
そんな音楽を聴くのも、癒しを感じるひとつの方法になりそうです。
日常に取り入れやすい、和蝋燭の“ゆらぎ”
日常にもっとゆらぎを取り入れたいという方には、和蝋燭がおすすめです。
洋蝋燭に比べ、馴染みのない方も多いと思いますが、あえて和蝋燭をおすすめするのには理由があります。
ひとつめは、炎の大きさとリズムです。
和蝋燭は、中が空洞芯になっているため、空気が蝋燭の中を流れます。この空気の流れによって、風が無い時でも揺れたり、ぽんぽん弾むことがあるのです。炎の大きさも洋蝋燭に比べて大きく、消えにくいんだとか。
ふたつめは、植物性の原料で作られていることです。
パラフィンと呼ばれる石油から作る洋蝋燭に対して、和蝋燭は櫨（はぜ）の実や木蝋といった植物性の蝋を原材料にしています。地球に優しくもあり、液だれやススが出にくいところも、気持ち良いHAA時間に繋がりますよ。
温泉の湯けむり
HAAが生まれるきっかけとなった別府の鉄輪温泉。
街のいたるところから立ち上る湯けむりは、その数400以上といわれ、2012(平成24)年に国の重要文化的景観に選定されました。
スローモーションのようにたゆたう湯けむりをじっと眺めていると、心のリズムもゆったりと落ち着き、整っていきます。
人の身体を癒す温泉ですが、湯けむりを眺める時間さえも、知らないうちにリラックスに繋がっているのですね。
1/fゆらぎで癒される、優しいHAA時間を
日常に溢れるゆらぎは、意識せずともあなたを癒してくれる、自然からの贈り物です。
五感を研ぎ澄ませて感じる癒しのリズム。これこそ、究極のHAA時間と言えるかもしれませんね。
ゆらぎの力も借りながら、忙しい日々の中でもは～っと深呼吸できますように。
ジャーナルでは、他にも様々なHAA時間をご紹介しています。是非チェックしてみてくださいね。
