ジャーナル

じんわり、ゆっくり、満ちてゆく。マイペースに歩みたい、春のはじまり。

2024.02.21

ふんわり漂う水仙の香り。
紅・白・黄、目にも鮮やかな梅の花。
食卓は旬の春野菜で彩られるようになりました。

二十四節気では雨水（うすい）と呼ばれるこの季節。
「雪が雨に変わり、積雪が溶け始める頃」とされ、春の到来を肌で感じはじめます。
（※二十四節気・・・1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらに1つの季節を6つに分けて、約2週間ごとの季節の変化を表すもの。2024年の雨水は2/19～3/4）

春になると、みなさんはどんな気持ちになりますか？
新生活に向けた期待やワクワクがある一方で、寂しさや不安に駆られる瞬間もあるでしょう。
さまざまな気持ちが交錯する春には、心の揺らぎを感じる人も多いようです。
今回のジャーナルは、そんな春の心模様にまつわるお話です。

揺らぎやすい、春の心模様

春を表す季語のひとつに、春愁（しゅんしゅう）という言葉があります。
「春の日に、なんとなく気がふさいで、ものうくなること。また、その思い。」という意味で用いられ、多くの歌人がその心の憂いを俳句にしたためてきました。

春の心は憂いがち。その原因のひとつは、さまざまな変化がこの季節に重なることにあるといわれています。

慣れ親しんだ場所・人間関係からの別れ。
新たな環境に足を踏み入れる期待と不安。
そして、寒暖差や気圧、花粉などの自然環境の変化も。

そうした変化に直面したとき、私たちの身体は自律神経を駆使してその変化に馴染もうとします。しかし、変化が激しすぎると対応しきれなくなり、心と身体にさまざまな症状として現れます。

なんとなくだるい。
ぐっすり眠れない。
気分が晴れない。

心当たりがある方も、不安になる必要はありません。それはこの季節の特徴のひとつであって、いわば自然なことなのです。

季節の変わり目こそ深呼吸を。その理由は？

とはいえ、できるだけ健やかに過ごしたいものですよね。
そのために、HAAが皆さんに改めて伝えたいのは、“深呼吸の大切さ”です。

大きく息を吐いて、新しい空気を胸に吸い込む。
すると、シンプルに気持ち良い。
心が落ち着いて、前を向けるような気がする。

そんな感覚になれる背景には、身体の中で起こるさまざまな変化があります。
たとえば……
・リラックス神経とも呼ばれる「副交感神経」が優位になることで、乱れた自律神経が整う
・内臓の動きや免疫力が上がり、幸せホルモンであるセロトニンの分泌が高まる
・酸素を沢山取り込むことで、疲労回復に繋がる

こうした体内の変化は、「心地よい」「気持ちいい」という感覚となって実感できます。
深呼吸は、やさしく、さりげなく、わたしたちが前を向けるように導いてくれる。
しんどい時には、その事を思い出してみてください。

何が心地よいかを、日々探して

深呼吸で余白ができたら、自分にとって心地よいリラックスのかたちを探してみてはいかがでしょうか。

いつもより睡眠時間を多くとる。
休日は予定を入れすぎず、ゆっくり過ごす。
旬のものをゆっくり味わっていただく。
手抜き、息抜きすることを許す。

食べるもの、目にすること、行動や思考。その全てにおいて、自分の心地よいものが見つかると、そこから健やかな日々が開けていくはずです。