ジャーナル

【深呼吸のはなしをしよう】「深呼吸は、探求の源泉」♯02池田佳乃子

【深呼吸のはなしをしよう】「深呼吸は、探求の源泉」♯02池田佳乃子

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忙しい日々の中でも、健やかに生きていきたい。
深呼吸して、心に余白を携えていたい。
そのためには、どうしたらいいのだろう?
そんな問いから、連載企画「深呼吸のはなしをしよう」は生まれました。

年齢・性別・ライフスタイルが異なるゲストとの対話を通して探るのは、深呼吸の源。
みなさんも一緒に深呼吸について考えてみませんか?

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第二回目のゲストは、HAA代表の池田です。

「日常に、深呼吸を届ける」をミッションに掲げるブランド「HAA」を立ち上げ早3年。
日々深呼吸について模索している彼女に、編集部の佐藤が話を聞きました。

ワクワクする方へ走り続ける私と、深呼吸の関係

佐藤:今回は、かのこさんの日常や普段考えていることを教えていただきながら、深呼吸ってなんだろう?どうやったら上手くできるんだろう?を深掘りしたいなと思っています。

池田:楽しみですね、宜しくお願いします。

佐藤:かのこさんは普段、HAAの業務をしながら、取材を受けたり、Podcastを収録したり、フィールドワークで国内外を飛び回ったりしていますよね。とても忙しそうだなと思う一方で、いつも楽しそうだなとも感じているのですが、その原動力は何なのでしょう?

池田:ワクワクですね。知らないことを知ることで、未知の世界を見るのが好きなんです。会社をやっていることも、Podcastもフィールドワークも、全ての原動力になっているのはワクワクなんだと思います。

佐藤:いつも楽しそうにされている根底には、ワクワクがあるんですね。そんな時、人によってはガス欠しないように適度に休んだり、歩幅やスピードを調整したりするのかなと思うのですが、かのこさんはどうですか?

池田:ブレーキは踏まないですね。だから、気づいたら「あれ?深呼吸できてない」って思うことがよくあります。

佐藤:後から気づくのですね。それはどうやって?

池田:周りの人が教えてくれますね。楽しんでるときは夢中なので、呼吸が浅くなっていても自分では気づけないんです。でも、母が「ちょっとお茶飲んでいったら?」と言ってくれたり、夫が散歩に誘ってくれたりして、声をかけてくれるんです。

池田:そういう時は、どんなに没頭していても手を止めて、誘いに乗るようにしています。そこで「は~」と深呼吸できたときにやっと、「あ、自分疲れてたんだな」とか、「休むタイミングだったのかも」と気づく感じで。だから、お誘い上手な深呼吸マスターの存在は、ついつい走り続けてしまう私にとっては本当にありがたいですね。

佐藤:なるほど。お話を聞くまで、ワクワクしながら没頭する時間も、かのこさんにとってはある種の深呼吸なのかな?とも思っていたんですけれど、それはきっと違うんですね。

池田:別物ですね。深呼吸は心に余白を生み出してくれる行為なので、どちらかというと真逆かも。

佐藤:その真逆の事象に対して良い塩梅を探すことが、ご自身のテーマだったりするのでしょうか。

池田:そうですね。ワクワクと深呼吸、どちらも大切だから、心地よいバランスを模索しているんだと思います。

深呼吸にも色んなタイプがある

池田:今話していて思ったんですけど、私、すごく受動的に深呼吸しているのかもしれません。それに対して、前回ゲストに出ていた妹のきりちゃんは、深呼吸するために何かをするっていう……能動的に深呼吸するのが上手だなと思うんです。

佐藤:「会議が終わったら、ご褒美にチョコを食べてHAAする」というお話がありましたね。

池田:そうそう。私はあまりそういう風に、「自ら深呼吸しに行くぞ!」というのがないなって気づきました。散歩に誘われて行ったら深呼吸できた、とか、お茶に誘われて行ったらHAAできた、みたいに、目的ではなく結果として深呼吸できている、というのが多い気がします。

佐藤:能動的深呼吸と受動的深呼吸……!新しい見方ですが、確かにそれはあるかも。

池田:二拠点生活していても同じようなことを感じますね。わたしは月の半分を東京、もう半分を別府の鉄輪温泉(かんなわおんせん)で暮らしているのですが、鉄輪温泉では、湯煙がたゆたう風景が日常なんですよね。こちらが意識しなくても、そこにただ身を置いて、景色を眺めているだけで、自然と深呼吸できて余白が生まれる。東京ではなかなか難しいです。

佐藤:だからこそ二拠点生活がしっくりきているのかもしれませんね。ちなみに、そんな受動タイプのかのこさんも、自分で深呼吸が必要だと思って取りにいくこともゼロではないと思うのですが、いかがですか?

池田:(少し考えて)2つだけありますね。本っ当に疲れた時に、新潟県栃尾又温泉の「自在館」に行くことと、鉄輪温泉の「すじ湯」に行くことです。Podcastでは、かたまりタイプの深呼吸って言われています(笑)。

佐藤:新しい言葉が出てきましたね。確かに、手軽なご褒美チョコと比べたら、温泉に行くのはある種のかたまり深呼吸かもしれませんね。そうしたくなるシグナルのようなものはありますか?

池田:周りに優しくできていないな、とか、人の意見を受け入れられないなと感じた時ですかね。
物事って、人とのご縁とか、運とかタイミングによって、思いもよらない世界が見えることってあるじゃないですか。そのワクワク感が大好きなのに、余白がないと、人の話を聞けなかったり、そこで生まれたシナジーに気づくこともできなかったりする。だから、ワクワクするために、余白も深呼吸も、とても大切なんです。
かといって、ご褒美チョコみたいに、一見簡単そうな深呼吸を日常に取り入れようとしても、私にとっては難しいんですよね。きっともっと私らしい深呼吸の方法があるはずで、そのMY HAA STYLEのようなものを探している最中なのだと思います。

私にとっての深呼吸とは何か、を探して

佐藤:HAAを始めてから、深呼吸に対して発見や変化はありましたか?

池田:深呼吸にも色んな種類があると気づけたことが、一番の発見でしたね。一般的に“深呼吸”と聞くと、「す~は~」とか、ヨガや瞑想をイメージする方が多いと思うんですが、それだけじゃないなって思い始めたことが大きい変化です。
ゆっくりお茶を飲む瞬間とか、お風呂に入って素の自分に戻ったときとか、心に余白が生まれる全ての行為が(HAAでいう)深呼吸なのだと思います。その上で、人それぞれフィットする深呼吸は違って良くて、スタイルがあって良いのではという視点が持てたことは、大きな変化でしたね。

佐藤:その発見に伴って、かのこさん自身の日常も変わりましたか?

池田:前より深呼吸しやすくなった感覚はあります。「今週は忙しかったから、週末はゆっくり休もうかな」と思えるようになっただけで、本当に進歩したなと思う。昔は突っ走るばかりで、自分の余裕のなさに気づくことさえできませんでした。

池田:最近新たな試みとしてHAA logをとっていて。深呼吸できた瞬間の記録をつけているんですけど、これも結構良くて!私、受動タイプなので、本当は深呼吸できてたのに、気づいていないことが多いんですよ。それをちゃんと認識できたら、もっと深呼吸を実感できると思うんです。

佐藤:例えば最近のHAA logはどんなものがありますか?

池田:美しい景色を眺めて呼吸が深まった瞬間とか、人のやさしさに触れたときとか。記録をあとで見返したときに、「あ、私ちゃんと深呼吸できてるじゃん」って気づけるだけでも、救いになるなって。

佐藤:受動タイプ×かたまりタイプのかのこさんだからこその気づきですね。

池田:そうですね。そうすることで、ささやかだけど、心に余白が生まれるような自分にとっての深呼吸が何なのか、やっと分かってきた感じがしています。そういう発見を積み重ねて、ワクワクしながら模索している。私自身もまだ旅の途中なのだと思います。

パツるの怖い?怖くない議論について

佐藤:前回、「パツるの怖い?怖くない?」という議論をしたのですが、かのこさんはどうですか?

池田:う~ん、難しいですね。自分で決めた行動でのパツりは、必要な過程のひとつだと思えるから怖くないかな。逆に、なんでか分からないのにパツるのは嫌ですね。パツるにも種類があるのかもしれませんね。

佐藤:確かに。ゴールがあってパツるのと、暗中模索状態でパツるのでは感じ方も違いますね。

佐藤:では、量としてキャパオーバーしてしまっているのに、独りで抱え込んでしまってパンクしそうになるときはありますか?

池田:昔は少しあったかもしれないけれど、今はないですね。それは今、周りの人を信頼していて、頼れているからだと思います。小さい時から父に「道が分からなくなったら人に聞け」って言われてきたから、その考え方も染みついているのかも。

佐藤:素敵な教えですね。そういう仲間が身近にいて、素直に頼れることはとても理想的だなと思います。一方で、かのこさんの場合、「深呼吸」のように答えの無い問いに対して考えを深めるシーンも多いと思いますが、そんな時はどうしていますか?

池田:今まさに「深呼吸」をテーマに全国をフィールドワークで巡って色々な方に話を聞いているのですが、「答えを教えて!」というよりは、話を聞いてもらったり、「あなたはどう思う?」と問いを投げかけてみたり、ヒントになりそうな場所を案内していただいたりしながら、自分なりの答えを見つけるために奮闘している感じですかね。

佐藤:なるほど。自分の殻に閉じこもって息苦しくなりそうなときは、そのシーンに応じた形で誰かの力を借りることで、空気が入れ替わって呼吸がしやすくなるのかもしれませんね。

HAAが描く未来

佐藤:HAAのアンケートによると、「深呼吸は必要だと思っているのにできていない人」が回答者の約7割いることが分かっています。そんな中でHAAはどんな風に深呼吸を届けていきたいですか?

池田:みんな性格も環境も1日のリズムが違うから、HAAできるポイントも十人十色だと思うんです。私たちは、そういういろんなHAAポイントに対して商品やサービスを提供して、その相手とキャッチボールできるようになっていきたいですね。「あなたのツボここですか?」って色んなツボを押さえにいきたいし、その中で「あ~わたしのツボそこじゃないんです」みたいな人が現れたら、「じゃあそのツボはこれで押しましょう」みたいにできたら、深呼吸がより広まっていくのではないかと思います。

池田「そうすれば余白がある人が増え、他者へ目を向けられるようになり、やさしさの連鎖が広がっていく。HAAがやりたいことは、そういうやさしい世の中をつくること。壮大だけれど、きっと叶うと信じています」

あなたにとって、深呼吸とは?

池田:やっぱり、探求の源泉ですかね。とても興味深くて、大切なテーマだからこそ、もっと知りたい。これからも深呼吸を探す旅は続きますが、いつか自分なりの答えに辿り着けたとき、考えをまとめてカタチにできたらと思っています。

佐藤:今日も、受動・能動タイプやかたまりタイプなど、新しい深呼吸の一面が垣間見えましたね。かのこさんがワクワクしながら問い続けた先でどんなアウトプットが生まれるのか、とても楽しみです。今日はありがとうございました。

執筆:佐藤ちえみ
                            撮影:小黒恵太朗
                        ロケ地:国立京都国際会館

 

HAA編集部
HAA編集部
心身ともに余白のあるライフスタイルが送れるように、様々な情報を深呼吸と共にお届けします。

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