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【HAAのあるお店】冨士屋 一也百 ホール&ギャラリー/別府・鉄輪から、建築・芸術・食を届ける

【HAAのあるお店】冨士屋 一也百 ホール&ギャラリー/別府・鉄輪から、建築・芸術・食を届ける

HAAの取り扱い店さまを巡るインタビュー連載。今回ご紹介するのは、別府・鉄輪(かんなわ)にある「冨士屋 一也百(はなやもも) ホール&ギャラリー」です。


(左:スタッフの福田さん、中央:オーナーの安波さん、右:スタッフの松﨑さん)

お店の歴史や、HAAとの繋がり、鉄輪温泉の魅力について、オーナーの安波治子(やすなみはるこ)さんにお話を伺いました。聞き手は、治子さんと親交が深いHAA代表の池田です。

旅館として幕を閉じ、ギャラリーとして再生した物語

「冨士屋 一也百(はなやもも) ホール&ギャラリー」(以下、冨士屋)は、明治32(1899)年から平成8(1996)年まで、旅館「冨士屋」として営業していました。その後、再生工事を経て平成16(2004)年に再オープンし、現在はカフェ・ギャラリー・セレクトショップとして運営しています。丁寧に修繕を加えて守り続けてきた建物は、今や別府に現存する唯一の明治旅館建築です。そんな歴史ある建物を次世代に繋ぎ、地域に開いていくまでのストーリーを紐解きます。

--旅館を閉める決断をしてから現在の形に再生するまで、どのような道のりがあったのでしょうか?

「旅館を閉めることになり、冨士屋の本館が取り壊された時は、悲しくて仕方がなかったんです。老朽化に伴って、新館の建物も壊すつもりだったのですが、直前で思いとどまりました」

「その後、わたしの母が古民家再生を手掛けている建築家の先生をさがして、手紙を書いたんです。その先生をはじめ、さまざまな専門家の方の話を聞くうちに、この建物自体に価値があることに気づきました。ならば、建物を残して、地域に開いていくことで、この街に何か還元できるのではないかと考えたんです」

旅館時代から、変わったことと、変わらないもの

落ち着いた雰囲気のカフェスペースに置かれた、レトロなアンティーク家具の数々。これらは、旅館時代に実際使っていたものを張り替えて、大切に使い続けているのだそうです。こうした歴史の片鱗を残しながらも、ギャラリースペースでは様々な展示や演奏を行い、現代の空気感も見事に共存しています。

--旅館時代から変わったもの、変わらないものはありますか?

「変わらないものは、“出会いの場”としての役割です。旅館だった頃は、各地から訪れるお客様と一期一会の出会いがありました。今は、カフェやショップに来て下さるお客様や、コンサートや個展などをしてくださるアーティストの方など、ここで皆さんが同じ時間を共有して、またそれぞれの生活に戻っていかれる。そういう“人々が行き交う交差点”のような役割は、今も昔も変わらないなと感じています」

地域性をいかした商品づくりやアイテムセレクト

冨士屋の一角にあるセレクトショップ「愉しい食卓はなやももショップ」には、コンフィチュールをはじめとしたオリジナル商品や、九州の作家がつくった手仕事アイテムが並びます。

--コンフィチュールやシロップは、別府・鉄輪に伝わる地獄蒸しを利用しているとのことですが、どのように作っているのですか?

「そもそも地獄蒸しは、温泉噴気を利用した伝統の調理法で、別府鉄輪温泉では江戸時代から用いられていました。私自身、鉄輪の地域資源を活かした商品づくりをしたいという想いがあり、低温スチームを使ったフルーツ加工から、コンフィチュールやシロップづくりが始まりました」

「敷地内にある地獄窯をつかって果物を蒸しています。例えば梅シロップは、70度で30分蒸して、種だけ除いて実を攪拌してつくります。だから、一般の梅シロップよりも濃厚な味わいになるんです。お客様に手に取りやすい商品にすることで、その美味しさはもちろん、地獄蒸しの文化も伝えていけると思っています」

HAAとの繋がり~鉄輪時間~

この素敵な空間にHAA for bathを置いていただいている背景には、鉄輪を盛り上げていきたいという、治子さんと池田の共通の想いがありました。

「池田さんにはHAA for bathの開発段階からお話を伺って応援していたし、私自身もおしゃれな別府の入浴剤があればいいなと思っていました。観光客の方も、鉄輪温泉の雰囲気を持ち帰りたいという気持ちで、ご自分用やお土産に買って行ってくださいます。リピーターの方もいらっしゃいますよ」

実際に取材中にも常連の方が来店され、購入される姿がみられました。

--最後に、治子さんにとってのHAA時間はなんですか?

「主催しているイベントが無事に終わった時や、表の札をCLOSEDにした瞬間に、は~となりますね」

HAAが生まれた街である別府・鉄輪温泉。そこには、街全体を包み込むゆっくりとした時間の流れがあり、治子さんと池田は、それを「鉄輪時間」と表現して体感しているそうです。街の至る所で見られる湯煙や、湯上りの感覚からも、鉄輪時間を感じられるのだとか。

皆さんも鉄輪温泉を訪れた際には、冨士屋に流れる鉄輪時間を是非感じてみてください。



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冨士屋 一也百(はなやもも) ホール&ギャラリー
所在地:〒874-0046 大分県別府市鉄輪上1組
TEL:0977-66-3251
営業時間:10:00~17:00
定休日:月・火曜日
アクセス:JR別府駅→タクシー20分
 (西口)すぱっと号→鉄輪下車 徒歩5分
 (東口)大分交通バス→鉄輪終点 徒歩2分
https://www.fujiya-momo.jp/

 

HAA編集部
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