怒りから生まれる言葉
何一つ心の乗らない仕事。
選んだというわけではなく、選ぼうとすることすらせず、深く考えず流れ着いたという感覚すらなく、ひたすらに繰り返す。もう先などない。終わる以外行き着く先はないはずなのに、我が肉親はその船をどうにか浮かべ続けようとする。
私からすれば最早浮かび上がらぬほど沈んでいるようにしか見えない。いや浮かび上がらせる気がないからそう見えるのかもしれない。さっさと諦めて仕舞えばいいのにと思う。
だけど想いとは裏腹にその船があって生きているのも事実で、そんな自分に一番腹が立つ。
そんなものだから、日々の作業の一つ一つが余計に心を苛立たせて、世界を消し去りたくなる程の怒りが度々身体を埋め尽くす。
もし誰にも痛みを与えることなく、人類全てを消し去れるボタンがあったなら、今まで何度押しただろう。今でさえ、或いは躊躇なく押してしまえそうな気もする。生きている中で日々、人の愚かしさばかりが目につく。
ある夏の日、あまりの暑さと日々への苛立ちに、私の怒りはもうどうしようもないくらい全てを憎んだ。その怒りのままに私は近くの銭湯に行き、芯まで焼けた身体を冷やしに水風呂に浸かった。
すると不思議な感覚がやってきた。先程まで身体から溢れんばかりに渦巻いていた怒りは、まるで冷たい水に溶けて流れていくかのように、指先からすーーっと抜けていった。ただ体温が下がったことによる生理現象なのか、はたまた水の力なのか。
そうして季節は進みゆき、急に冬が近くなった今日。私はある一つのことに想い至った。
消えゆく道を歩もうと。いつか終わりが来るものだけを創ること。それが美しさなのだと。
選んだというわけではなく、選ぼうとすることすらせず、深く考えず流れ着いたという感覚すらなく、ひたすらに繰り返す。もう先などない。終わる以外行き着く先はないはずなのに、我が肉親はその船をどうにか浮かべ続けようとする。
私からすれば最早浮かび上がらぬほど沈んでいるようにしか見えない。いや浮かび上がらせる気がないからそう見えるのかもしれない。さっさと諦めて仕舞えばいいのにと思う。
だけど想いとは裏腹にその船があって生きているのも事実で、そんな自分に一番腹が立つ。
そんなものだから、日々の作業の一つ一つが余計に心を苛立たせて、世界を消し去りたくなる程の怒りが度々身体を埋め尽くす。
もし誰にも痛みを与えることなく、人類全てを消し去れるボタンがあったなら、今まで何度押しただろう。今でさえ、或いは躊躇なく押してしまえそうな気もする。生きている中で日々、人の愚かしさばかりが目につく。
ある夏の日、あまりの暑さと日々への苛立ちに、私の怒りはもうどうしようもないくらい全てを憎んだ。その怒りのままに私は近くの銭湯に行き、芯まで焼けた身体を冷やしに水風呂に浸かった。
すると不思議な感覚がやってきた。先程まで身体から溢れんばかりに渦巻いていた怒りは、まるで冷たい水に溶けて流れていくかのように、指先からすーーっと抜けていった。ただ体温が下がったことによる生理現象なのか、はたまた水の力なのか。
そうして季節は進みゆき、急に冬が近くなった今日。私はある一つのことに想い至った。
消えゆく道を歩もうと。いつか終わりが来るものだけを創ること。それが美しさなのだと。