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月末のジャーナル「月のお便りエッセイ」では、HAA編集部が1ヶ月を振り返って見つけた"深呼吸の種”をお届けしています。
「は~」と深呼吸しながら、その封を開けてみてください。
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ジージージージー。
裏山から蝉の鳴き声が聞こえる。
朝から子どもたちと公園に行き、帰宅してお昼にオムライスを食べ、食器も洗い、やっとソファに座った土曜日の午後1時。
珈琲を飲んで「は~」と一服。
空に浮かぶもこもこした雲を見て、「夏だな~」と呟いた。
いつもなら「なにがー?」と話しかけてくるはずの子ども達だが、今日は静かにそれぞれ床に横たわっている。
それならばと、飲み終えた珈琲のグラスをテーブルに置き、わたしもゆっくりとソファに横になった。
§
4歳の息子は、石を見つめていた。
よちよち歩きの頃から石が好きな彼。最近では「マグマからできる石もある」とか、「宝石も実は石からできている」とか、知識を仕入れては得意げに披露してくれるようになった。
幼稚園で、川べりで、近所の散歩道で石を見つけては、ポケットに入れて迷わず持って帰ってくる。
腰パンスタイルが板についているのは、そのせいだ。
ある程度石がたまったら、絵具で色を塗っていく。
「僕だけの宝石」
それらを床に並べ、うっとりと眺めているのだった。
§
6歳の娘は、本を読んでいた。
彼女の本好きは、小学生になってより一層加速した。
朝5:30に目が覚めると、目覚まし時計が鳴る6:30まで、寝室で静かにひとり本を読み、家族が起きるのを待っている。
お風呂上り、腰まで伸びた彼女の長い髪をわたしがドライヤーで乾かす間も、ずっと本を読んでいる。
愛読書『かいけつゾロリ』シリーズの作者を「原ゆたか先生」と慕う彼女は、ひんやりとした床で涼をとりながら、物語の世界にトリップしていた。
§
自分の世界に入って、静かに「は~」するふたり。
その背中を眺めながら、私はいつの間にか眠ってしまった。
5分ほど経った頃だろうか。「あー!!!」と叫ぶ子ども達の声がする。
石から、本から、目を話して
「寝るな―!」とわたしの上に重なるように乗っかってくる。
「寝てないよー!」とふたりをくすぐると、身体をくねらせて笑い転げた。
わたしはソファから起き上がり、ぐ~っと伸びをして
今日もなんとか頑張れそうだな、と思う。
私の深呼吸も、ここにある。
ジージージージー。
蝉は鳴き続けている。
騒がしく楽しい夏は、まだ始まったばかりだ。
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今月は、ある夏の日に感じた小さな小さな日常の深呼吸をエッセイにしてお届けしました。
スイカを食べたり、お風呂で汗をかいたり、暑い夏だからこそ呼吸が深まることを見つけながら、8月も健やかに走り抜けられたらいいなと思います。
そんな今月のHAA PHOTOはこちら。
(夕焼けさがし続いてます、ドライアイスで涼をとる、散歩中に出会った鹿の家族、おうち時間を楽しむ音楽を取り入れ中)
今月もお疲れさまでした。
来月も「は~」と深呼吸していきましょう。
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執筆:佐藤ちえみ